前回に続き外壁コンクリートの仕上げについてです。
今回使用するものは、主に土木現場のコンクリートの打ち継ぎ処理に用いられているフィルムタイプの「コンクリート洗い出し表面処理材」です。
それを外壁の型枠面に貼り付け、脱型した後に洗い出します。そうすることで小叩き仕上げよりコンクリートに入っている骨材が、より鮮明に表面に現れてくることとなり表情豊かな仕上がりとなります。
特殊フィルムには、不飽和ポリエステルが均一に塗布されており、コンクリートの水和反応を抑制してコンクリートの表面から2〜4mmに未硬化層を形成します。構造体を確保する為に未硬化層の厚み分はコンクリートの増し打ちが必要となります。その未硬化層を型枠脱型後に高圧洗浄する事により、洗い出し調の表面仕上げとなります。
主な施工手順は以下の通りです。
- 外壁の型枠パネルを建て込む。
- フィルムとフィルムの間にセメントペースト等が入らないように少し重ねてしわにならない様に型枠パネルに貼り付ける。
- バイブレーターなどでフィルムが破れない様に細心の注意を払いながらコンクリート打設を行う。
- 打設後、数日間養生を行い、その後型枠パネルを脱型する。
- 脱型した所から順番に高圧洗浄機で表面のセメントペーストを洗い出す。
上階を洗う際には、その下の階(既に洗っている面)の外壁面に洗ったセメントペーストが付かない様にしっかりと養生をして施工を行っております。
▼特殊フィルム貼り付け状況